女性起業家

日本では、諸外国に比べて起業する人の数がたいへん少なく、内閣府の年次経済財政報告や、その他の起業活動関連の資料分析にも、そのことが書かれています。

では、その少ない起業者のなかに女性がどのくらいいるのでしょうか。彼女たちは、どのような分野で起業しているのでしょうか。
自分で起業して夢をかなえたいと考えている女性のかたは、きっと関心があると思います。女性による起業の実態と成功例について、まとめましたので参考にしてください。

データからみる女性起業家の実態

起業した人のうち女性が占める割合はどれくらいでしょうか。
少し前のデータになりますが、日本政策金融公庫総合研究所が2013年にまとめた調査結果を見てみると、女性の割合は予想通り低く、開業者全体の13.3%にとどまっています。
業種別では、飲食店・宿泊業・医療・福祉などの分野が多いのですが、もっとも多いのが個人向けサービス業で、女性起業者の25.2%を占めています。
理容・美容業は、その典型的な例といえるでしょう。

同じ資料によれば、女性起業家の起業時の平均年齢は43.7歳で、男性の41.6歳より少し高くなっています。ただしデータを細かく見てみると、起業時年齢が30代の女性と40代の女性の数に大差はないことがわかります。つまり、30代あるいは40代で起業する女性がもっとも多く、その中には育児や介護や日常の家事に負担を感じながらも、起業によって自分の夢を実現させている人が多いことが見えてきます。

では、起業によって得られた収入はどれくらいでしょうか。

引き続き同資料を見ると、女性起業家が純粋に起業によって得られる月収は平均29万円ほどで、その収入に満足と答えている女性は30%を下回っています。

女性起業家の多くは事業規模が小さいため、収入はそれほど多くならないようです。
もちろん、この数字は平均的なものであって、もっとたくさんの収入を得ている女性起業家もいます。
ただ、起業後の仕事全般に対する満足感では全体の70%以上の女性が満足と答えており、やはり自分の夢をかなえ、発展させていくことから得られるプラスの感情は、収入に関係なく大きなものであるとわかります。

成功した女性起業家たちの起業年齢は?きっかけは?

ここで、実際に起業し成功している女性起業家を例に、起業年齢や起業のきっかけについてみてみましょう。

①株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室淑恵さん

小室さんは30代で起業しています。起業する数年前に結婚し、起業を決意した後で妊娠がわかったそうです。会社設立時は一人目のお子さんが生まれたばかり。会社もお子さんも生まれたばかりの状態で本当に大変だった様子が、インターネットに公開されているさまざまな記事からもわかります。
事業内容は社名のとおり、働く人のワーク・ライフバランスコンサルタント。
起業のきっかけは、育児・介護・病気などさまざまな事情によって働き方に制限が必要な人も意欲を持って働ける社会にしなければ、この国がダメになってしまう!という気づきでした。
2006年に起業、取引先には有名起業や中央官庁などがズラリと名を連ねています。

②株式会社ミセスリビング会長 宇津崎光代さん

宇津崎さんが起業したのは40歳の頃です。起業のきっかけは、工務店を営んでいた夫が立てる家が主婦目線から見ると使いにくく、それを夫に話しても聞き入れてくれなかったこと。それなら自分でする!ということで、教師の職を辞めて起業したそうです。

子育てや家事の負担もありましたが、それでも建築やインテリア関連の専門学校に3つも通って資格を取得し、友人の会社で経験を積み、その後に会社を設立しました。
睡眠時間を削って勉強し、歳月をかけて設立までこぎつけたあたりに、ものすごい熱意を感じます。会社は成長し、今はご長女に社長の席を譲られています。
情熱があれば、ゼロからの出発でも成し遂げられることを教えてくれる成功例ですね。

③ドゥドゥネット(DoDonet)代表 河原有伽さん

ドゥドゥネット(DoDonet)は美容や健康を中心にさまざまなカルチャー講座を企画・開催していますが、他とは違う大きな特徴は講師を派遣する出張型カルチャースクールであることです。
イベント企画会社に勤務していた頃、芸術大学を卒業している河原さんに取引先の人などから、「趣味で絵を教えて欲しい」というような依頼が何度かあったそうで、同窓の仲間を先生として紹介しました。
そして、「教えたい人」と「教えてほしい人」を結びつけるビジネスに需要があることに気づき、起業に至ったのです。

思いたったときが貴女の起業適齢期! 起業のタネは身近にあります

「自分で事業を起こすなんて大それたこと、自分にできるはずがない」
成功している女性起業家に憧れを抱きながらも、そう考えてしまう女性は多いと思います。しかし、紹介した女性起業家の成功例からもわかるように、起業のタネは、日常生活のなかで感じる「これって不便だな」とか「こんなふうだったらいいのに」という感覚のなかに潜んでいます。活躍している多くの女性起業家たちも、身近にある起業のタネに気づき、「よし、これを事業にしてみよう」と頑張ってきたのです。

起業するなら、できれば若いうちのほうがいいかもしれません。体力的にも有利ですし、家事や育児や介護などの負担がないほうが、仕事に打ち込める時間が長くなるからです。しかし家庭があっても、事業に対する情熱があれば、もちろん起業して成功することはできます。思いたったときが、貴女の起業適齢期です。

【参考】
日本政策金融公庫総合研究所 女性起業家の開業
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_131224_1.pdf